再生医療について

当院で力を入れている再生医療は幹細胞治療です

幹細胞治療は幹細胞を投与することによって得られる効果を期待したある種の治療薬だと言えます。
ただ幹細胞は魔法の薬ではないので何にでも効果があるものではありません。
また1回の投与でその病気が治るということもありません。
投与効果が出た場合、その後大体1~3ヶ月程度効果が持続することが多いです。
当院で使用する幹細胞はADSC(脂肪由来幹細胞)といわれるもので、若い個体の皮下脂肪を用いて院内で培養したものを使用(他家投与)します。
培養した幹細胞は凍結保存してあり、必要に応じて解凍して使用します。

幹細胞治療は何のための治療なのか

それは従来の治療にプラスできる選択肢が増えるということです。

  • なんとか状態の維持はできているがもう少しQOL(生活の質)を改善してあげたい
  • ステロイドの投与量を減らしたい
  • 薬を飲むのが大変なので投薬の量や種類を減らしたい
  • 体を楽にして少しでも食べれるようにしてあげたい

などの状況で投与することで、今よりも少しでも良い状態を目指す薬だと思ってください。

治療の流れ

  • まずはホームページの問い合わせフォームからご連絡ください。
    (このページの最後をご確認ください)
  • 主にメールでのやり取りで現状の把握や投与をするかどうか相談します。
  • その後ご来院いただき、最終的な確認、幹細胞についての説明をし、幹細胞の投与をおこないます。
  • 投与は半日お預かりし、静脈点滴にて投与します。
  • 基本的に副作用は少ない治療になりますが、約4%程度で発熱や嘔吐、下痢などの症状が見られることがあります。
  • 一度投与をした後は、かかりつけの病院でおこなっている治療を継続しながら経過を観察します。
  • 約2週間後に効果判定をおこない、効果が見られている場合は今後の投与スケジュールを相談します。

以下は現在得られている知見(PARM:動物再生医療技術研究組合などのデータ)で、ある程度治療効果の期待できる代表的な病気です。
下記以外の病気についてもご相談ください。

慢性腸症

ステロイド、免疫抑制剤、食事療法などで治療している症例に対して投与します。
従来の治療での反応が乏しい、ステロイドの減薬が難しい、投薬が困難な場合などに対して補助的な治療となります。
内視鏡で診断がついていることが理想ですが、そうでない場合も経過をもとに投与可能か相談します。
約40~50%の症例で臨床症状の改善、QOLの改善、減薬などの効果が期待できます。

アトピー性皮膚炎

ステロイド、アポキル、サイトポイントなどで治療している症例に対して投与します。
従来の治療での反応が乏しい、ステロイドの減薬が難しい、投薬が困難な場合などに対して補助的な治療となります。
約50~60%の症例で臨床症状の改善、減薬などの効果が期待できます。

慢性腎臓病

幹細胞の投与ではBUNやクレアチニン、SDMA等の数値の改善は期待できません。
元気や食欲などのQOLの改善を期待して投与します。
通院で皮下補液をしていても元気や食欲の改善が乏しい場合に補助的な治療としておこないます。
BUNやクレアチニンなどの数値が著しく高い、脱水がひどい、全く食べれない状態で投与してもあまり効果は期待できないので、可能であれば3日間程度入院し可能な限り脱水の改善をしたのちに投与すると、良い状態が維持できやすいです。
猫の慢性腎臓病に対しても同様ですが、一般的に猫に対しての幹細胞治療は犬と比較すると反応に乏しいことが多いです。

脊髄疾患

椎間板ヘルニアグレード4または5と診断され手術をしたが術後の経過が良くないという症例に対して投与します。術後早めの投与が有効で、手術から約1ヶ月経ってしまうと改善の可能性が低くなります。脊髄疾患に対しては自身の皮下脂肪から培養した細胞(自家投与)の方が効果が期待できます。
加齢に伴う変化からくる椎間板ヘルニア(ハンセン2型)にも効果はありますが、短期間で元に戻ってしまう症例が多いので、状態維持のためには継続的な投与が必要になります。
MRIで脊髄梗塞と診断されて、従来の治療に対して反応に乏しい場合にも比較的効果が見られます。

幹細胞治療に興味のある方は、まずはホームページのお問い合わせフォームからご連絡ください。

再生医療についてを選んでいただき、お問合せ内容は簡単にご入力ください。
こちらから折り返しメールをしますので、現在の様子などを含めてメールにて確認させていただきます。
治療にかかる費用等もメールにてお伝えします。

携帯キャリアメールなどで一部メールが届かない場合があります。
その場合はお電話で確認しますので、電話番号の入力もお願いします。